医療情報ソリューション「Abiertoシリーズ」(キヤノンメディカルシステムズ)
ポストプロセスの解析と読影を支援するAbiertoの技術

2025-2-28

キヤノンメディカルシステムズ

PACS


キヤノンメディカルシステムズは,医療従事者の業務効率化や迅速な診断をサポートするAbiertoシリーズを展開しており,新たに医用画像解析ワークステーション用プログラム「Abierto Vision」を2024年11月より販売開始した。本稿では,新製品であるAbierto Visionと「Abierto Reading Support Solution」の新機能について紹介する。

医用画像解析ワークステーション用プログラム Abierto Vision

本製品は,AIソリューション「Altivity」に沿って当社が長年培ってきた自動化技術をセグメンテーション機能に組み込み,快適な画像処理ワークフローの実現を目標の一つに掲げている。
本製品では頭頸部から,胸腹部,下肢に至るまで,全身の骨をDeep Learningで学習させたアルゴリズムにより,骨のみを精度良く除去することができるようになっている。「頭蓋骨,胸骨,椎骨,骨盤を消す」「骨に隣接する血管や軟部組織は残す」の基本動作を忠実に追い求めたことで,これまでの自動骨除去にて「おおむね良好ではあるが,一部修正必要」としてきた作業を,大幅に減らせると考えている(図1)。
また,脳血管は,動脈〔内頸とそれ以外(外頸など)〕と静脈を学習させることで,ボタン一つで動静脈分離を進められるようになった。時に動脈優位相,静脈優位相の2相撮影をして,その信号値の差によって分離・重ね合わせる作業が必要とされてきたが,1相造影データで解析可能になっている。
これらの自動抽出機能は「1 Click Extract」としてまとめられており,そのすべてがAI学習アルゴリズムではないが,肺動静脈分離や腎臓抽出を含めて,シード点不要で,その名のとおり,ワンクリック分離・抽出ができるようになった。ここに,手順を自動化するマクロ機能を組み込むことで,誰もが同じ画像を出力し,PACSへ送信できる快適な画像処理ワークフローを実現できると考える。

図1 修正作業を減らす骨除去新アルゴリズム

図1 修正作業を減らす骨除去新アルゴリズム

 

読影支援ソリューション Abierto Reading Support Solution

Abierto Reading Support Solutionは一部でDeep Learning技術を用いて開発されたアプリケーションを搭載し,画像診断において有用な情報を提供するソリューションである。提供している一つに「Temporal Subtraction For Bone」があるが,これは経時差分処理技術によって,フォローアップ検査などで撮影される体幹部CT検査における骨領域の読影を支援するアプリケーションである。差分対象となる過去画像は今回画像に基づきPACSから自動取得する仕組みとなっているため,今回画像をCT装置から送信後,特に操作を挟むことなく読影時に差分結果が参照できるというワークフローが構築可能となる。
また,2025年2月には新機能として所見文の作成を支援する機能のほか,オプションとして脊柱管内,および椎体周辺の差分解析をする機能を販売開始しており,骨領域だけでなく読影時に特に関心の高い脊柱管領域においても読影支援が可能となる(図2)。
体幹部CT検査の比較読影は日々の読影業務を逼迫しており,全身をくまなく読影する負担は大きい。本アプリケーションを活用することで,骨領域と脊柱管領域の変化に気づきやすくなり,読影負担が軽減できると考える。

図2 骨領域・脊柱管領域の経時差分処理

図2 骨領域・脊柱管領域の経時差分処理

 

これら製品は設計段階の一部にAI技術を使用しており,自己学習機能を有しておりません。

また次の医療機器プログラムが含まれています。

一般的名称:汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム
販売名:汎用画像診断ワークステーション用プログラム Abierto Vision AVP-001A
認証番号:22000BZX00379000

一般的名称:汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム
販売名:汎用画像診断ワークステーション用プログラム Abierto SCAI-1AP
認証番号:302ABBZX00004000

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 国内営業本部 エンタープライズ画像ソリューション部
〒212-0015 神奈川県川崎市幸区柳町70番1号
TEL 044-520-2107
URL https://jp.medical.canon

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(ITvision No. 53 / 2025年3月号)
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