アルプスアルパイン（株）（以下「アルプスアルパイン」）が開発する非接触入力のAirInput™ パネルが，東京女子医科大学病院呼吸器外科にて術中ナビゲーション操作のインターフェースとして正式に採用が決まり，運用が開始された。

導入の背景

アルプスアルパインは，高感度静電容量検出を活用した非接触で感的な入力操作を可能とするAirInput™ 製品の社会導入を進めている。本製品はモニターやキーボードなどに触れることなく操作が可能なデバイスとなる為，衛生上の課題がある現場を中心に病院や飲食業界の顧客に検討されている。
昨年6月より，東京女子医科大学病院呼吸器外科（神崎正人教授）での，内視鏡手術にて使用される3D画像解析モデルの術中ナビゲーション操作のインターフェースとしてAirInput™ パネルを用いた実証実験を実施した。本実験の内容は昨年12月に開催された「第37回日本内視鏡外科学会」でその有用性が報告された。

医療現場での取り組み

肺の気管支，肺血管の分岐は多様で個人差がある。肺区域切除では脈管分岐を3次元で把握することで手術時間の短縮や血管損傷を回避することが重要であることから，東京女子医科大学病院呼吸器外科の内視鏡手術においては，術前CT画像を3Dに再構築した，3D画像解析モデルを使用している。しかし，本システムの操作において術者は手袋を取り外し，手洗いが必要となる為，操作を行うスタッフの人員確保を行っていた。術者がスムーズにモニターを確認するには操作スタッフとの連携が重要となる。今回，AirInput™ パネルによる非接触操作の実証実験を行ったことで術者自ら操作が可能となり「痒いところに手が届く装置」として医師より評価を得た。また，操作スタッフが不要となることで，手術室スタッフ不足の課題解決にもつながる。
東京女子医科大学病院では実証実験終了後，正式に運用されている。

今後について

今後は更なる技術向上により，医療現場での活用の拡大と同時に，本技術による価値提供を様々な社会領域に広げていく。

製品詳細
https://tech.alpsalpine.com/j/products/detail/HCEPM0C002A/