キヤノンメディカルシステムズブース

キヤノンメディカルシステムズのブースでは，2018年1月に発表した医療情報ソリューション「Abierto」シリーズや「HAPPY ACTIS」などの病院向け電子カルテシステム，診療所向け医事会計/電子カルテ一体型システム「TOSMEC Aventy 3.0」，PACSの「RapideyeCore Grande」，医用画像処理ワークステーション「Vitrea Advanced」，検診ソリューション「HealthcareAgent」などをPRした。1月に東芝メディカルシステムズから社名を変更してから初めての国際モダンホスピタルショウの出展となったが，デジタルカメラの画像認識技術を用いた新たなシステムも紹介されるなど，キヤノングループの一員となったことによる効果を感じさせる展示であった。

キヤノンメディカルシステムズへの社名変更をPR

今春の国際医用画像総合展（ITEM in JRC 2018）でも大々的にPRされ話題を呼んだAbiertoシリーズでは，ベンダーニュートラルな診療環境を実現する医療情報統合管理システム「Abierto VNA」，診療情報と医療画像を統合表示する「Abierto Cockpit」が紹介された。さらに，これらを用いて研究開発を進めている人工知能（AI）による意思決定支援（clinical decision support：CDS）システムも紹介した。VNAに蓄積された膨大なデータをベースに，医師に対して現状分析（descriptive），将来予測（Predictive），対策（Prescriptive）の支援を行う。医療機関・大学などと協力しながら研究開発を進めており，ブースでは，その一例として，神奈川県立こども医療センターとの共同研究を紹介していた。この研究では，先天性心疾患の小児患者の心不全を予測するため，HAPPY ACTIS，RapideyeCoreからAbierto VNAにデータを蓄積。そのデータを分析してつくった心不全兆候検出ルールから，Abierto Cockpit上で，関連データを確認しながら治療や手術の判断を支援する。

診療情報と医療画像を統合表示する「Abierto Cockpit」

意思決定支援システムの概要

神奈川県立こども医療センターとの意思決定支援システムに関する共同研究

病院向け電子カルテシステムでは，病院向け歯科電子カルテHAPPY ACTIS-ERDが注目を集めた。医科と歯科の情報をシームレスに連携させ，糖尿病や生活習慣病などでの診療科をまたいだ診療を支援する。

医科と歯科の情報を統合管理できる「HAPPY ACTIS-ERD」

一方，診療所向けの医事会計/電子カルテ一体型システムTOSMEC Aventy 3.0は，画像ファイリングシステム機能を搭載。カルテ画面のアイコンからX線や内視鏡，超音波の各種画像を表示できる。

画像ファイリング機能を搭載する診療所向け診療所向けの医事会計/電子カルテ一体型システム
「TOSMEC Aventy 3.0」

医用画像のソリューションとしては，RapideyeCore GrandeとVitrea Advancedに加え，Abierto Cockpitの情報を6面のモニタ上に表示させて，医用画像とその解析画像，診療データを組み合わせて統合的に診断を行う読影環境が提案された。

「RapideyeCore Grande」「Vitrea Advanced」「Abierto Cockpit」を組み合わせた読影環境を提案

このほか，測定時間8分で判定できる「インフルエンザ迅速検査システム」のPRも行った。また，デジタルカメラで撮影した画像からAI技術を用いて褥瘡のサイズを自動計測する「褥瘡計測システム」を参考展示した。

測定時間8分の「インフルエンザ迅速検査システム」

AI技術を用いた「褥瘡計測システム」