富士通Japan,医療現場の課題解決に向けて取り組む医療DXやAI活用を紹介

2025-3-12

富士通

AI(人工知能)

医療DX


医療DXの取り組みを紹介する記者勉強会を開催

医療DXの取り組みを紹介する記者勉強会を開催

富士通Japan(株)は2025年3月7日(金),Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(神奈川県川崎市)にてヘルスケア事業や医療DXへの取り組みを紹介する記者勉強会を開催した。ヘルスケア事業本部ヘルスケアソリューションビジネス部の吉沢 萌氏が説明者を務め,同社のヘルスケア事業に関する変遷や「医療DX令和ビジョン2030」への対応,データ・AIを活用した最新の取り組みを紹介した。

吉沢 萌 氏(ヘルスケア事業本部ヘルスケアソリューションビジネス部)

吉沢 萌 氏
(ヘルスケア事業本部ヘルスケアソリューションビジネス部)

 

富士通は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし,世界をより持続可能にしていく」をパーパスに掲げ,50年以上の歴史を持つヘルスケア事業においては,持続可能な医療とその発展に向けて医療DXを推進している。同社は医療情報の要となる電子カルテシステムの開発を1990年代よりスタートし,現在では病院向け電子カルテシステムの全体シェアは32%,400床以上の病院では47%を占める。2014年からは電子カルテシステムのクラウド化に取り組んでおり,ユーザーのクラウド型電子カルテの導入割合は32.2%と病院市場と比較し2倍以上高く,電子カルテのクラウドシフトをリードしてきた。近年では,持続可能な医療に向けてクラウドやAI,病院経営,スマートヘルスなどの取り組みを開始している。
現在,医療の課題解決をめざして「医療DX令和ビジョン2030」の枠組みの中でさまざまな施策が進められているが,富士通では国策対応専門チームを設置して対応している。医療DX令和ビジョン2030への主な取り組みとして,オンライン資格確認や電子処方箋,救急時医療情報閲覧の各システムへの対応状況に加え,電子カルテからHL7 FHIR形式でデータを出力し,電子カルテ情報共有サービスと連携する機能の提供を3月より開始予定であることが紹介された。

また,新たな取り組みとして,これまでに蓄積してきた富士通Japanアセット(ナレッジ,テクノロジー,データ,リソース)を活用した「AIによる病院DX」と「病院経営の改善」を紹介した。AIによる病院DXでは,医師の働き方改革により生産性向上が急務となる中,富士通JapanではAIを生産性向上に向けた最重要ファクタととらえ取り組みを進めている。他社とのアライアンスも含めたAI活用による業務最適化を進めていることを紹介し,このうちホットトピックとして「医療機関向け医療文書作成支援サービス」を取り上げた。同サービスでは,電子カルテの情報を活用し,生成AIが退院時サマリなど医療文書の下書きを生成する。専門家により最適化されたプロンプトを組み込むことで簡単に活用することができ,文書作成業務を効率化し,業務負担を軽減する。サービスではクラウド上の生成AI基盤を利用するが,閉域ネットワークを利用し,診療情報はクラウド上には保存されない(API連携)ため安全に利用できる。まずは,クラウド型電子カルテシステム向けに提供を開始する予定で,現在,リリースに向けて準備が進められている。
一方,病院経営の改善においては,新たな経営オファリングサービスとコンサルサービスを組み合わせることで,収益の最大化および支出の最小化を実現し,持続可能な病院・医療社会の実現をめざしている。勉強会では,コンサルサービスの例として診療報酬算定・指導料適正化や材料コスト削減支援を紹介した。富士通Japanではこの取り組みを加速させるため,コンサル人材の育成,営業・SEからコンサル職への転換を進めている。

医療現場の課題解決に向けた富士通Japanの新たな取り組み

医療現場の課題解決に向けた富士通Japanの新たな取り組み

 

生成AIを活用した医療文書作成支援サービス

生成AIを活用した医療文書作成支援サービス

 

●問い合わせ先
富士通Japan(株)
https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/

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